2026年4月上旬、わたしは園芸専門店の果樹コーナーに立っていた。
お目当ては…レモン。
そう、今日は「璃の香(りのか)」という品種のレモンの苗木を買いに来たのだ。
妻とレモンの苗木を探しに来たはずだったが、気付けば妻はラズベリーの苗木に興味津々だ。

「レモンも好きだけど、わたしの一番好きなフルーツはラズベリーなの」
ん、初めて聞いたが。
ま、その事実関係を詮索するのはやめておこう。おそらく喧嘩になる。
さて、ラズベリーについてはノーマークだったため何も予備知識がない。
ということで、適当に2年生くらいのラズベリーの苗木を掴んで持ち上げ、レジに向かおうとした。
のだが…
「いたっ!!」
よく見るとラズベリーの幹は、産毛のような小さな棘でびっしりと覆われている。

「なにこのトラップ…」
事前に調べていればこのトラップは避けられたはずである。

これだから、植物の衝動買いは嫌なんだ。
レモンにはもっと大きくて鋭い棘がある。
知らずにギュッと掴んだら「いたっ」では済まない。
さて、ラズベリーのお値段、なんと1,600円(税込)。

ラズベリーの「収量」も「収穫時期」も「手間」もなにもかもが未知。
大量に収穫できるなら1,600円でもいいか。
なんせ妻の最も好きなフルーツである、少しくらいは大目に見るとするか。
こうしてわたしは、想定外のラズベリーという果樹も家に持ち帰ることになった。
後で気付いたが、タグにはラズベリーの品種『インディアンサマー』と書かれていた。

ここから、わたしの長い長いラズベリー栽培の歴史が始まるのであった。
第二話へ続く…




すだち
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