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【第六話】花が消えた→ヘタ爆誕→実になる?いちご栽培のリアル経過

花が消えた→ヘタ爆誕→実になる?いちご栽培のリアル経過 いちご🍓

受粉後、花を落とす

人工授粉から数日後、あれほど可憐に咲いていた白い花は、まるで役目を終えたかのように姿を消した。

そして残されたのは、ぽつんと現れた緑のヘタ。

徐々にいちごになってきている…

うむ、これはもう、どう見ても“あの赤いやつの頭についているアレ”である。

ここに正式に任命しよう。

我が家の記念すべき初収穫候補に与えられる称号――君を「いちご1号」と名付ける。

徐々に実を垂らすいちご

しかし、それから数日。

あれほど「うおおお!」とテンションが上がっていたにもかかわらず、人間とは実に勝手なものである。

気付けば私は、プランターを見下ろしながらこう呟いていた。

徐々にいちごになってきている…

「……いちご、まだできひんのけ?」
「おまえ、収穫される気あんのか?」

完全に生産者の顔である。
さっきまで“感動する側”だった人間が、いつの間にか“収穫する側”に回っている。恐ろしい。

当然ながら、この段階では“いちご感”は皆無で、娘が「うわおわ」と叫ぶこともない。
※「うわおわ」とはいちごのこと。

当然だ、「これからいちごが成るんだな~」と理解している大人が見てもまだいちご感ほぼゼロなのである。
一歳半の子どもがわかるわけがない。

※娘はいちごのことを「うわおわ」と呼び、スーパーなどでいちごを目にするたびに指差しながら大声で「うわおわ!!!」と叫ぶのが常になっている。

やがて、受粉した実は少しずつ膨らみ始めた。

その重みに耐えきれなくなったのか、実はうつむき加減に垂れ下がり、上からは見えづらい位置へ。

徐々にいちごになってきている…

2号の花の後ろにひっそりと隠れる「いちご1号」。

……なんだその奥ゆかしさは。いや、見えへんねんけど。

では遠慮なく、興味の優先順位を下げさせてもらう。

そっぽを向いたいちごに対する興味は徐々に薄れていき、次第にわたしの興味は新しく咲く花に移っていった…。

人の関心とは、かくも移ろいやすいものである。

いつの間にか成長しているいちごの果実

だが数日後、ふと視線を戻した先で、事件は起きていた。

でかくなっている。

徐々にいちごになってきている…

いや、ちょっと待て。

普通に“実”になりかけている。

「まじか!!!!」

思わず声が出た。

あの“緑の何か”だった存在が、確実に“いちご予備軍”へと進化している。

そしてさらに驚くべきことに――娘がそれを指差して叫んだ。

「うわおわ!!!」

え、分かんの?赤くないで?まだ緑やで?

確かに粒々はあるけど、完全に“途中形態”やで?

どうやら娘の中には、 「いちご=赤い」ではなく 「粒々+フォルム=うわおわ」という高度な判定ロジックが存在するらしい。

……もしかして、うちの娘、天才?

冗談はさておき。

いちご1号は、今日も少しずつ膨らんでいる。

花が落ちてから、約2週間。
ついにここまで来た。

あとは、赤くなるのを待つのみ。

徐々にいちごになってきている…

果たして、わたしは無事に収穫まで辿り着けるのか。

娘は“初うわおわ(家庭栽培ver.)”を食べることができるのか。

すべては、この小さな緑の実に託されている。


後日、この実は完熟目前にしてお亡くなりになるという惨事に巻き込まれた。

おわりに

ここまでそれっぽく語ってきたが、実際のところ――やっていることは「毎日チラ見して急かすだけ」である。

いちごは何も悪くない。

問題があるのは、完全にこちら側だ。

それでも文句ひとつ言わず育ってくれる「いちご1号」には感謝しかない。

あとは赤くなるのを待つのみ。
……とはいえ、収穫タイミングをミスる未来は普通に見えている。

まあいい。

失敗してもネタになる。

それが初心者の特権である。

第七話に続く…

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