ラズベリーを育て始めて約1ヶ月。
この植物――どう考えても様子がおかしい。
伸びる。
増える。
広がる。
朝見るたびに、「お前、昨日そこおらんかったやろ」みたいな枝が増えている。

そんな「繁殖モンスター」であるラズベリーを眺めながら、ふと思った。
「……ん? コイツ、肥料いるのか?」
というのも、肥料ゼロの状態ですでにかなり元気なのだ。
ここでさらに肥料を投入してしまったら、もう「家庭菜園」では済まない気がする。
数年後には、「京都市の住宅街にラズベリー林が発生」みたいなニュースになる可能性すらある。
だが、ラズベリーが大好きな妻に、甘くて美味しい実を食べさせてあげたい。
なので、めんどくさいがちゃんと肥料についても調べることにした。
施肥タイミングをざっくりまとめると、こんな感じらしい。
| 年間施肥量の | 肥料の種類 | |
| 春肥え | 4割 | 緩効性 |
| 夏肥え | 3割 | |
| 秋肥え | 3割 |
ちなみに驚いたことに、ラズベリーの施肥情報はかなり少ない。
検索しても、ブルーベリーやレモンほど丁寧な解説が出てこない。
たぶんみんな、「まあラズベリーやし、勝手に増えるやろ」と思っているのだろう。
まあ、わからんでもない。
「肥料のこと、なーんも知らない♡」という状態で植物を育てておられるおバカさん(←私のこと)に向けて、肥料の基礎知識をわかりやすく解説しているので、興味があればこちらも読んで欲しい。
春肥え
まずは、寒い冬が徐々に終わりを迎え、暖かな春が到来する頃に一発、緩効性の肥料を与えよう。
これを春肥え(はるごえ)と呼ぶ。
春肥えは、ラズベリーに“スタートダッシュ”を決めさせるための肥料である。

2月下旬〜3月上旬くらい。
まだ「普通に寒いですけど?」という時期に、緩効性肥料を与えるのが良いらしい。
年間施肥量の4割をここで投入。
つまり、開幕ブーストである。根っこに養分をため込み、「さぁ来い春!!」とラズベリーが助走を始める。
イメージ的には、冬眠明けのスポーツ選手である。
「春のうちに養分ため込んで、今年こそ本気のスタートダッシュ決めたるでぇぇ!!」
夏肥え
続いて夏肥え(なつごえ)。
こちらは、実付きブースト用である。

6月初旬〜中旬くらい。
本格的な猛暑になる前に、緩効性肥料を投入する。
年間施肥量の3割。
ここでラズベリーは一気にギアを上げる。
ただし注意点もある。
8~9月の地獄みたいな猛暑ではラズベリーもさすがにばてて休眠に入る。この時期に即効性肥料をあげると栄養過多で最悪枯れる。
植物界にも“食べ過ぎて体調崩す”現象が存在するのである。
「実付きブースト開始。今年は遠慮せんぞ…ベランダをラズベリーまみれにしたる!!」
秋肥え
そして秋肥え(あきごえ)。
これがまた、なかなか働き者の肥料である。
役割は、
の二刀流。

特にわたしが育てているのは、二季成り品種の「インディアンサマー」。
名前だけ聞くと洋楽バンドっぽいが、夏前と秋前の二回収穫できる優秀なラズベリーである。
なので9月後半〜10月前半ごろ、再び緩効性肥料を与えるのが良い。
これはつまり、
という、なかなかブラック企業みたいな要求をしているのである。
普通の果樹は、実を付けるためにかなりのエネルギーを使うため、収穫後に
「今年も一年おおきにさん。たんと休んでおくれ」
という意味で、「お礼肥え」を与えるのが普通だ。
だが――
「ラズベリー お礼肥え」
で検索しても、驚くほど情報が出てこない。
なんなら検索結果全体から、「いやコイツ生命力強すぎるから別にいらんやろ」という圧を感じる。
たしかに、今の暴れっぷりを見ると否定できない。
「収穫されまくったけど、養分チャージで完全復活や!!」
おわりに

正直、ラズベリーを育て始める前は、「果樹って、もっと繊細で上級者向けなんやろな…」と思っていた。
だが実際に育ててみると、ラズベリーは繊細どころか、「放っといても増えるタイプの生命体」だった。
むしろ今のわたしは、
「どう育てるか」よりも「どう暴走を止めるか」
を考え始めている。
数年後、わが家の玄関前が完全にラズベリー林になっていたら、その時はまた記事にしたいと思う。
第五話に続く。



すだち
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