さて、いちごの苗を買ったはいいが…(第一話参照)
赤くて可愛い実。
パックで買えば数百円。
——なのに、なぜ自分は苗から育てようとしているのか。
いや、それはいい。
問題はここからだ。
この小さな苗、なんかもう頼りない。

葉っぱ数枚、茎ほっそ。
これ、本当にあの「いちご」になるのか?
そんな疑問が湧いてくる。
そして最大の疑問——1年目から実をつけてもいいのか?
別記事で「レモンやブルーベリーは3~5年は我慢して樹を育てるべき」みたいなことを書いたが、いちごは比較的すぐ実がなる。
だから、わたしのような初心者はこう思う。
「え、これもう勝ち確じゃね?」
——違う。
むしろここからが本番らしい。
一季成りいちごのリアルは決して甘くない。
一季成りいちごは、春に全力を出して終わるタイプ。
つまりどういうことか。
一発勝負の短期決戦
ここでコケたら、その年は終わり。
まずはそれを肝に銘じておいてくれ。(←自分に言ってる)
では季節ごとの管理方法を紹介しよう。
植え付け直後(秋〜冬)
まずここ。
テーマはただ一つ。
根を張れ。とにかく張れ。
花?
いらない。
つぼみ?
見つけ次第、処刑。

「え、もったいない…」
その感情、捨てろ。
ここで実をつけさせるとどうなるか。
→ 株が弱る
→ 春にショボい実しかならない
→ 最悪、全体的に終了
つまりこうだ。
秋に欲張るやつは春に泣く
冬
見た目、ほぼ動かない。
「これ生きてる?」
ってなる。

うん、生きてる。
ただし油断してはいけない。
水やりサボって枯らすのはだいたいこの時期。
水やりは土の表面が乾いてから、さらに2〜3日待ってからを肝に銘じておこう。
そしてもう一つ。
寒さにはそこそこ強いが、凍結は普通にアウト
玄関前放置プレイ勢はここで脱落する。
春(開花〜結実)
来た。
テンションMAXゾーン。
花が咲く。
「あ、これ全部いちごになるやつだ」
——違う。
全部は無理。
ここでやることはこれ。
間引く(摘花・摘果)
ランナーが出てきたら光の呼吸でちょん切る。
つまり、大きくてうまい実を作るために数を減らすということだ。
欲張るとどうなるか。
が大量生産されてしまう。

これだけは絶対に避けたい。
つまりこうだ。
量を取るか、質を取るか
初心者はだいたい両方失う。
収穫期(春後半)
ようやく報われる瞬間。
赤い。
ツヤツヤ。
テンション上がる。
だが注意しよう。
収穫が遅れると一瞬で鳥に持っていかれる。
鳥たちも、いちごが色づくその瞬間を狙っている。

やつらは恐竜の子孫、こっちは二足歩行のホモサピエンス。
勝てるわけがない。
防鳥ネットはマスト。
収穫後
ここで終わりだと思っているなら甘い。
一季成りいちごはこうなる。

人間と同じで、大仕事をやり終えた後は燃え尽きる。
株はボロボロ。
葉っぱも元気がない。
「お疲れ様でした」感がすごい。
ここでやることは2つ。
ここで放置するとどうなるか。
→ 来年ショボい
→ もしくは消える
ランナーを用いた次世代の作り方
いちごの苗は年数が経つにつれて、収量が減っていく。
なので毎年新しい株に更新するのが主流(?)らしい。
ランナーを用いた次世代の作り方は難しくはない。
「いい親から、元気な子だけを独立させる」
これだけ守ればOK。
① 元気な親株を1つ決める
→ 収穫後でも葉がしっかりしてるやつだけ使う
② ランナー(伸びるツル)を伸ばさせる
→ 切らずに放置
③ 子株を土に固定
→ 小さい葉の塊ができるので、そこを土に軽く押し付ける(ポットでもOK)
④ 根が出るまで待つ(2〜3週間)
→ グラつかなくなれば成功
⑤ 親から切り離す
→ 根付いたらランナーをカットして独立
おわりに
初心者ほどやってしまう。
「せっかくだし全部実にしたい」
その気持ち、わかる。
だがその結果はこうだ。
全部中途半端
いちごは優しい顔して、普通に試してくる。
どこまで我慢できるか。
どこで切り捨てられるか。
それがそのまま、収穫の質になる。
今日もどこかで、未来の甘さを犠牲にして小さい実を量産している初心者がいるだろう。
だが——欲張るな。
……それを乗り越えた者だけが、「ちゃんと甘いいちご」に辿り着く。
続く。



すだち
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