微動だにしなかったレモンの樹
2026年5月中旬、レモンの苗木(璃の香)を購入してから早5週間――。
葉が茂り、開花し、実がなりつつあるイチゴやラズベリーとは違い、レモンだけは異様に静かだった。

マジで育てている実感が全くない。
もはや「え、死んだ?」と思うほど動かない。
毎朝見ても昨日と同じ。
いや、先週と同じ。
なんなら購入初日と同じ。
もはや観葉植物ですらない、“置物”である。
ここ5週間ずっと、
「君さ……本当に生きてる?汗」
「収穫される気、あるよね?」
という目で見守っていた。
赤い花芽、現る。
しかし――
ついに!!!
ついに変化が現れ始めた!!!!

わかるだろうか?
もっと拡大してみよう。

この赤い芽。
これが、この5週間で初めて確認されたレモン側からの意思表示である。
ただし、園芸初心者のわたしは、これが花芽なのか、新芽なのか、それともただの“赤い何か”なのか、正直よくわかっていない。
そこで調べてみた。
レモン 花芽 画像
すると――

他の方のブログにも、まったく同じような赤い芽が載っていた!!!!
勝った。
これはもう勝ち確である。
完全に未来のレモンである。
脳内ではすでに唐揚げに添えられている。

しかし、ここで満足しないのがわたしだ。
園芸初心者は、未来を見ておかないと不安で死ぬ。
ということでさらに画像検索を進めると、今度はピンク色の花が咲いている写真を発見。

なるほど。
何日後の話かは全く分からないが、こうして花が咲き、受粉し、果実となり、最終的には我が家の焼酎へと吸い込まれていくのだろう。
余談だが、普段のわたしは一切酒を飲まない。
まあブログ上の演出だと思って焼酎の話はスルーしてくれ。
今まで完全停止していたレモンの樹に、ようやく“生命”を感じた。
うれしい。
これは本当にうれしい。
調子に乗って、画像生成AIに「この写真にレモンの実をたくさん付けて」と注文してしまった。

ムフフ。
今年はいくつ収穫できるだろうか。
楽しみすぎるぜ!!!!
レモンの収穫は5年待て!!?
……。
ん?
待てよ?
そういえば、ついこの前――
「若いレモンの樹には実を付けさせず、樹の成長を優先しましょう」
みたいな記事を、自分でドヤ顔で書いていなかったか?
え?
じゃあ何?
これ、摘果した方がいいの?
……。
いやいやいやいや。
ちょっと待て。
あまりにも酷すぎるだろ!!!
自分で「レモンの収穫は5年待て」とか書いておきながら、いざ目の前で花芽が出るとこうも簡単に決意が揺らいでしまうのか。
いま、わたしの中では天使と悪魔が戦っている。

いやだ、花芽を取るなんて絶対に嫌だ!!!
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!!!
娘も最近イヤイヤ期に突入しつつあるが、どうやら30代男性にもイヤイヤ期は存在するらしい。
まあでも、一つや二つくらい収穫しても大勢には影響ないっしょ。
たぶん。知らんけど。
ということで現在のわたしは、
璃の香……頼む……!
今年は一個でいい!!
いや二個!!
二個だけ収穫させてくれ!!!
じゃないと、おれのモチベーションが保てないんだ……!!
もう“植物を枯らす側の人間”には戻りたくないんだよ……!!
という、極めて情緒不安定な状態でレモンを見守っている。
おわりに
レモン栽培とは、「樹を育てる」のではない。
動かない苗木を前に、「これ本当に生きてる……?」という不安と戦い続ける精神修行なのかもしれない。
なお現在のわたしは、「樹の成長を優先すべき理性」と、「1~2個くらい収穫したい欲望」の間で激しく揺れている。
もし今年レモンが収穫できたら報告する。
できなかったら、たぶん何事もなかったかのように別の記事を書いているだろう。
第五話に続く…



すだち
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